運転中に話しかけると、なぜ注意力が低下するの?
Tracey Peers
October 1, 2016
死傷者を伴う交通事故の原因の多くを占める「運転中の注意力散漫」は、近年大きな問題となっています。衝突事故の約半数は、ドライバーの何らかの注意散漫が原因だったという調査結果もあります。注意散漫運転は視覚/手動妨害によって、例えばドライバーが機器を操作しようと道路から目を離した隙に起こりえます。また、ドライバーの意識が、安全運転から別のものに移ってしまうと、認知力が妨害され、注意散漫になります。つまり、ドライバーが道路を見てハンドルを握っている状態であっても、意識が別のものに向いていれば、安全運転に大事な情報を受け取れていないということです。最近では、運転中に話しかけると機器の操作ができる車も登場していますが、開発者の意図に反して、こうした機能は交通安全に悪影響を及ぼすとのリサーチ結果も出ています。
また、別のリサーチでは、ドライバーが2秒以上道路から目を離すと、安全に車を運転する能力が著しく低下することが証明されています。
上記のとおり、車のインテリアデザインは、テクノロジーによってずいぶんと変わってきています。私たちは、こうした技術革新に注目し、一段とそれら(コミュニケーションやナビゲーション・システムなど)に頼りがちですが、実際のところ、テクノロジーによって、安全運転が妨害さるようになってしまったかもしれません。
タッチスクリーンの流行は、運転中の携帯メールの着信確認やメール送信の問題に拍車をかけています。あるリサーチによると、人がメール送信に要するのは平均4秒だそうで、道路から目を離しても安全運転できるリミット、2秒間を大きく超えています。